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浦安市文化会館で行われた『十八世中村勘三郎十三回忌追善 陽春歌舞伎特別公演2024』の初日に行って来ました。
歌舞伎を観るのは人生で2回目。
前回は新しくなった歌舞伎座を見たい。ついでに歌舞伎を観てみたいという母に付き合って、カード会社のイベントで行きました。(高額な買い物をさせられましたが・・・・・・。)
今回はフジテレビ系で放映された中村屋の密着取材を見て、母と「観に行きたいね~」と話ながらスマホで調べたら、チケットが取れたので行くことになりました。
当日は、あいにくの大雨。
後に分かったのですが、2年前に浦安市文化会館で歌舞伎公演をした時も雨だったそう。
中村屋と浦安市は相性が良くないのか?雨男がいるのか?
とにかく、バスや電車が遅れてバタバタしながら公演ギリギリに席に着くことができました。
45分のトークコーナーは勘太郎&長三郎がメイン
始めのプログラムは45分のトークコーナー。
中村勘九郎さん、七之助さん、勘太郎君、長三郎君、鶴松さんが登壇。
司会は元フジテレビアナウンサーの吉崎典子さん。
トークの掴みは、浦安市ということで東京ディズニーランドの話題から。
勘太郎君は「ジェットコースターは苦手だけど、スペースマウンテンは楽しかった」と言えば、長三郎は「スプラッシュマウンテンが好きだけど、お兄ちゃんは乗れなかった」と暴露。
微笑ましいやり取りに会場はほっこりムードに包まれました。
その後は勘太郎君、長三郎君、七之助さんが準備のために途中退出するので、質問コーナーが始まりました。
皆さん(ほぼ母世代がメイン)、自分の熱い思いを伝えつつ質問。
全員向けの質問と同じくらい質問されたのが勘太郎君、長三郎君の兄弟。
2人とも物心つく前から舞台に出ていることもあって、ハキハキと答えていました。
特に長三郎君は率先して答えていて、かわいかったです。
勘太郎君、長三郎君兄弟以外で質問されたのが七之助さん。
体の鍛え方を質問され、「パワーブリーズをやっています」と答えていました。
きけば、この1年ぐらいパワーブリーズのまわし者かのように、紹介しているようです。
パワーブリーズは呼吸法のトレーニング器具で、肺の周囲を鍛えるらしい。
肺の周囲を鍛えることで息切れがしにくくなるという効果を聞き、父が息切れがして動けないので「いいことを聞いた」と思いながら真剣に聞きました。
このパワーブリーズは、七之助さんのように激しい舞踊をやる人向けではなく、日常生活で息切れがしやすい人や疲れやすい人の、QOLを上げるためのものということ。
実際に七之助さんのファンで、仕事で疲れにくくなったとの声が届いているらしい。
というわけで、帰宅後に父が使えるのか調べたら肺や心臓疾患のある方の使用は禁止でした。
残念。
質問コーナーが終わると人気者(笑)3人が退出。
「質問のなかった俺らだけが残ったぞ。どうする?」という勘九郎さんが鶴松さんに問いかけて、笑いを誘ったところから、トークコーナー再開。
話題は一般家庭から歌舞伎の世界へ入った鶴松さんが、歌舞伎座で主演を務めた時のこと。
鶴松さんは勘三郎さんに「我が家の三男」と言われるほど可愛がられていた逸材。
歌舞伎界も役者さんが少なくなってきたので、今後は家柄に関係なく主演を任せていくようにならないといけない、と歌舞伎界の未来を話していました。
と、ここで鶴松さんも準備のために退出。
残された勘九郎さんは「俺も準備があるんだけどな~」と言いながら、吉崎さんと今日の演目の解説や、見所を紹介。
この解説と見所がとても分かりやすかったので、演目を楽しく観ることができました。
楽しく観ることができたので、前回は購入しなかったパンフレットを購入。
また、夏までの公演についても話していました。
ちなみに、4月28日・29日には新宿歌舞伎町で『お練り』をするそうです。
「歌舞伎町で紋付きを着た男達が歩くのは、なんか勘違いされそうですよね~」と勘九郎さんは笑っていましたが、どんなふうになるのか楽しみですね。
お弟子さんたちによる舞踊『鶴亀』
最初の演目は中村屋を支えるお弟子さん達による舞踊『鶴亀』。
初日ということもありおめでたい舞踊での幕開けですね。
本日の配役は下記の通り。
帝 中村 小三郎(十七世中村勘三郎の弟子)
鶴 中村 仲弥(中村七之助の弟子)
亀 中村 仲四郎(十八世中村勘三郎の弟子)
トークコーナーで勘九郎さんから解説がありましたが、今回は中村屋3代にわたる弟子が踊る配役になっています。
中村小三郎さんは中村屋最年長として、中村屋を支えてくださっているとのこと。
それだけに、舞台の中央に座っているだけで貫禄があり、帝に相応しい風格がありました。
もちろん、仲弥さんの女形は美しかったですし、仲四郎さんの踊りは軽快な感じで三者三様という感じでした。
日本の四季を舞踊で表現『舞鶴 雪月花』
最後の演目は『舞鶴 雪月花』です。
本日の配役は下記の通り。
桜の妖精 中村 七之助
松 虫 中村 勘太郎 中村 長三郎 中村 鶴松
雪 達 磨 中村 勘九郎
トークコーナーでの解説によると、舞鶴(ぶかく)とは十七世中村勘三郎の俳号。
つまり、この舞踊は十七世中村勘三郎のために創作された舞踊。
そのため、芸達者と呼ばれていた十八世中村勘三郎さんでも、雪達磨は十七世中村勘三郎のように舞うことができなかった言っていたそうです。
雪達磨の舞踊について、トークコーナーの中で何度も勘九郎さんが「うろうろしているだけになってしまう」と言っており、どういう意味だろうと思いながら観賞することに。
始めに桜の妖精に扮した七之助さんが登場。
かわいらしい仕草で登場した、七之助さんに会場から「わぁ」という声が上がりました。
少女のような可憐な舞にうっとり。
途中で衣裳の早替えがあり、それまでの可憐さに少し大人びたような表情が加わったような気がしました。
パンフレットの歌詞や解説には特に記載されていないので、個人の感想です。
桜の妖精が去ると松虫の兄弟が登場。
七之助さんが登場しいた時とは違う「わぁ」という声が上がりました。
勘太郎君と長三郎君による松虫は扮装だけでもかわいらしい。
そこに息の合った舞踊。
力強い勘太郎君の舞に、必死についていくように全身を使って舞う長三郎君。
テレビの密着取材で勘太郎君は稽古の虫。自分が納得するまでやらないと気が済まない性分、というだけあって大人顔負けの舞踊。
一方、中村屋のムードメーカー長三郎君は、小柄で線が細いものの一生懸命さが伝わってきました。
この兄弟が会場を盛り上げたところで、鶴松さんが登場。
しなやかで力強い舞を披露。
後方では勘太郎君と長三郎君が松虫が鳴く仕草をしたまま、微動だにせず控えています。
長三郎君は私の甥っ子と歳が変らないので、「よくじっとしてられるな」と感心しながら鶴松さんの舞を観てました。
最後は3匹の松虫が舞ます。
途中、バランスを取るのが難しそうな振りがありましたが、勘太郎君と長三郎君は難なく終えました。
最後は雪達磨の登場。
舞台上に雪達磨の人形が出て来ました。
雪達磨の胴体に紐が巻き付けられていたので、思わず「雪達磨が縄で縛られている」と思ってしまいましたが、衣裳でした。
手と足のない雪達磨の人形から、手や足が出てきて観客の笑いを誘いながら勘九郎さんが登場。
雪達磨が炭屋の娘に恋をする話を舞踊で表現するのですが、手振りが多い。
今までの桜の妖精や松虫とは違い、手で状況を説明するような振り付けなので、振りが小さい。
広い舞台の上で1人、この振り付けで観客を魅了するのは確かに難しそうだな、と思いました。
だからこそ、トークコーナーで「うろうろしているだけになってしまう」と仰っていた意味がわかりました。
でも、歌詞と振りが見事に調和していて、とても面白かったです。
次は歌舞伎座へ
人生2度目の歌舞伎観賞でしたが、とても充実した時間を過ごすことができました。
ただ、市の文化会館だと歌舞伎座のような舞台ができないので、舞踊のみになってしまい残念。
次は歌舞伎座で観賞したいですね。
できれば、中村屋の連獅子。
ただ、公演がある時に自分の体調が良いのかわからないので、あくまでも希望ですが。
まぁ、東京の歌舞伎座は海外の方や歌舞伎初心者の方向けの、ガイドも付いているそうなので初めての歌舞伎観賞でも楽しめるかも知れません。
でも、できれば有名な演目が観られるといいな。
でも、いつになるかはわかりませんが・・・・・・。